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#Kitchen Yakuso-bako

これは、エゾジカ肉で作ったポトフです。甘みがあってとても美味しいスープになります。

これまで「ジビエ料理」って、あまり耳にしてこなかったのではないでしょうか?けれど「最近、よく耳にするな~」って、思っているかたも多いのではないでしょうか?では

ジビエとは?ジビエとはフランス語で狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉という意味で、それを使った料理がジビエ料理です。古くからヨーロッパでは貴族の伝統料理でした。

最近言われているジビエ料理は、どちらかというと「ニホンジカ」「イノシシ」の肉料理をイメージされている方が多いのではないでしょうか?

では、今何故このように「ニホンジカ」「イノシシ」肉料理が広がってきたのか?考えたことありますか?

ここでは、私が関わってきたニホンジカのことについて非常に簡単な書き方になってしまいますが少しだけ書きたいと思います。

ニホンジカによる農林業被害は皆さんご存知だと思います。それ以外の被害として「生態系被害」という言葉を耳にした事はありますか?

目を上げて、周りの風景を眺めてみてください。ぐるりと見渡すと山が目に入りませんか?(平野ではなかなか目に入りませんが)目に入らない方でも、川の水は山から流れてきている。ということはご存知だと思います。

いま、この山の中でニホンジカが増えています。ニホンジカの食べ物は植物です。草、低木の枝先、葉っぱ、樹木の皮、などを一年通して食べています。凄いですよね~。それだけであの身体をつくっているんです。つまり、あの身体を保つための量の植物が必要だということです。冬場は落葉、枯葉も食べることがわかってきました。山の中に積もった落葉を食べるとき、その中にある木の実(種子)や樹木の子供達(稚樹)も食べてしまいます。ニホンジカが食べ続けることにより、目に見えている植物や樹木がなくなってしまうだけでなく次の森をつくるはずの種子や稚樹がなくなってしまうということが起きてきます。山に樹木がなくなると土砂が流れ出したり、植物が消費してくれていたリンなどが多く含まれた水が川に流れ込むことになります。

こうやって、ニホンジカが増えることが河川の水量や水質に関わってくることはあまり知られていないことだと思います。そこで考えていただきたいのは、まず河川の水量や水質は私達の生活に関わることではないでしょうか?

そして、もっと考えていただきたいことは「なぜニホンジカがそこまで増えてしまったか?」なのです。

その理由は複数です。1天敵のオオカミがいなくなった。2猟師の数が減った3温暖化によって冬季の小鹿の生存率が上がった4冬季の生息地域が拡大された5ニホンジカの保護期間

などなど代表的なことを上げてみました(もちろんこれだけではありません)。ニホンジカが増えた理由に人間が関わっていることがお分かりいただけますでしょうか?

ニホンジカは生きるために植物をたべ、命を繋ぐために繁殖し増えていっている・・・だけなんですが、でも増えすぎてしまうと農林業被害と合わせて私達の生活に関わってきているのです。山の中で起きていることは遠くで起きていることかもしれません。けれど、私達の生活に直接的に関わってくることになる・・・とおもいませんか。そのために、いまニホンジカの頭数を減らさなければなりません。

私達も命を繋いでいかなければなりません。そのためには他の生き物の命を色々な形でいただかなければ繋いでいけません。次の命も、次の命も、生きていくためには他の命をいただかなければなりません。その繋がりを私達はもう一度思い出すときが来ているのではないでしょうか?今、ニホンジカの命を自分の中に入れるとき、ただ「美味しいもの」「めずらしいもの」としてだけでなく「ニホンジカが伝えてくれていること」があるのではないか考えてもらうことは出来ないでしょうか?

「いただきます」・・・と手を合わせるとき、私達の命を支えてくれる命に思いを寄せ感謝したいと思います。

エゾジカのポトフ   ー命をいただくということー