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​森林の中で起きていることは、私達の生活には関わりのないことでしょうか?

そうでない。ということは、殆どの人がわかっていることだと思います。

では、今身近な森林の中で起きていることを知っている人はどれほどいるのでしょうか?

私は、この3年ほどニホンジカの生態系被害というものに調査という形で関わってきました。

佐久地域、浅間山麓などの狭い範囲でのかかわりではありますが、その目の前に広がるニホンジカの植物への影響は驚くものでした。

簡単に書きますと「森林内の林床の植物が食べられてしまっている。中低木は樹皮剥ぎ、や新芽や葉を食べられて枯れている。樹木は角研ぎや樹皮剥ぎで立ち枯れを始めている。冬季、ニホンジカは落ち葉やササを食べているので落ち葉と共に小さな芽や種となる木の実も無くなって土壌がむき出しになっている。」

さて、これが現実を書き並べたものです。

これから先は推理に入ります。これがこのまま続くとどうなるのか?

答えはいくつかあります。

Ⅰライフラインの危機

1. 土壌がむき出しになっているということは雨が降れば土が流れ出します。

2. 森林(この場合は山林でもよいと思います)は、保水機能がありますが土壌がむき出しで林床に落ち葉が無ければ保水力がなくなります。

3. 流れ出す際に、樹の根を洗い根がむき出しになって浮いた状態になるので倒れやすくなります。

4. 落ち葉や種を食べているので樹が倒れたあとに新しい森林が構成されません。

5. 周りをみると禿山が広がることとなります。

Ⅱ多様性の低下

1. 森林内の植物(花を咲かせる草類や低木)が減ることで蝶や虫の種類が減ります。

2. 蝶や虫が減るとそれを食料にしている小型、中型哺乳類、鳥類の数が減ります。

3. 小型、中型哺乳類、鳥類がへると猛禽類の数が減ります。

4. 種子散布をしてくれる動物達が減ります。

5. 多様性が低下します。

6. 森林の遷移が進まなくなります。

7. 森林再生が困難になります。

私達の生活を支えていてくれている(と、思っている人がどれほどいるかですが)森林が静かな音の無い生命が乏しい世界になります。

このような繋がりを考え、想像し尚且つその問題の原因を探り、それを解決に導くには学ぶことが必要になると私は考えます。これはどの分野でも同じではないでしょうか?

現象から原因を突き止め、解決に結びつける。これには、冷静な分析力、そして一度ばらしたものを構築させる想像力、そしてそれを実現していく力。それは基礎学力と応用力が必要です。

いまの勉強はその様な繋がりをつくる力が養われているでしょうか?

そこは大人が考え、学ぶことを任されている施設に何を求め、家庭や社会は何を担うのかを考えるときが来ていると私には見えています。

こんなことを考えるようになったのも、ニホンジカの生態系への影響を見ることで人間が作り出している現代が見えるからです。

どの分野でも同じだと思います。そこを通して伝えれらていることを読み解くことができるか?それが、学ぶことの意味だと思います。

ニホンジカの生態系被害が教えてくれたー学ぶことーの必要性