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全ての生命は冬から始まる
雪に閉ざされた冬。森の中では鳥の声が遠く、近く、聞こえてくる。そして動き回る小動物の気配。空に向かう高い樹は風が吹くと枝を小刻みにザワザワっと鳴かせる。強い風が吹くと幹をきしませてギギーっと音を立てる。ギギギギッ、バキリ!負荷に耐え切れなくなった枝が折れた音が林内に響く。ああ・・・。
春になれば緑が溢れ出たであろう太い枝が折れた・・・。枝先を見ると春を待つ冬芽が膨らんでいる。「この芽に次の春はないのだな」と、思う。そして見あげれば枝があった場所にはポッカリと空間ができ青空が見えている。
この空間をギャップ。という
ギャップができた空間はすっぽりと天井が抜けたようだ。青空が覗いている天井から太陽の光が射しこむ。光は下まで届き雪を融かし始め、やがて黒い土が顕れる。太陽に温められた土から新しい芽がピョコンと顔を出す。春がやってきた。細い雪解けの筋が集まり少しずつ太くなり、やがて川に流れ込み、自らも川となりふもとへと流れ田畑を潤す。動きが緩慢だった人々も田畑に出て土を耕し始める。里にも春がやってきた。
閉じた目を開けば拡がる雪景色。冬から始まる春を思い雪の上の一歩を踏み出す。生命が生まれる鍵は、この雪の中にある。

全ての生命は冬から始まる
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