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オニグルミのお話
1クルミが好きな場所
皆さんはクルミご存知ですよね。あの硬い殻に守られたクルミ。クルミ入りクッキーやケーキ、クルミおはぎ!なんて美味しいですよね。クルミから連想する動物といえばリスですかね。ネズミ、なんていうのも思い浮かべられるかもしれません。そして思い浮かべられるのは森でしょうね。私も、森の中でクルミの木やクルミの種子、リスやネズミの食痕をよく見つけます。動物を見かけなくても食痕からそこに暮らす動物が見えてきます。
私が森の中でよく見るクルミは、オニグルミです。たまにヒメグルミというのもあります。オニグルミの木をよく見かるのは森の中だと土壌水分量が多い場所や沢沿いです。つまりオニグルミの木はジメジメした場所や水の流れが近くにある場所が好きだということです。では生きていくのに子孫を遺すのにどのように水を使っているか?と言うと・・・。

2オニグルミの種子
クルミの種子をご存知だと思います。硬くて薄い茶色を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんので念のために、もう一皮あるんですよ。

黄緑色でそれを剥こうとすると手がヤニで真っ黒になってしまう皮。実は、地面に落ちるとき黄緑色の皮がついたままで落ちるのがほとんどです。高い樹の上から落ちるとジメジメした土壌に埋まりこんだり球形なのでコロコロ転がったりします。土壌に埋まりこめば周りの黄緑色の皮が水分で腐り始めます。そうしてようやく皆さんがご存知のあの茶色い固い姿になります。それが沢沿いでコロコロ転がって川に到着するとクルミは、どんぶらこ、どんぶらこ、と流れてはじめます。そうしていくうちに黄緑色の皮が柔らかなくなったり腐ったりしながらて岸に流れ着きます。

3川原のオニグルミと生態系
えっ!川!川原!にクルミ!!!と思われるかもしれません。が、そうなんです。川原を歩いていると実はクルミの樹をよく見かけるんですよ。葉が茂って実がついていれば直ぐわかりますが、冬の場合、冬芽や落葉痕を頼りに探してみてください。落葉痕は「羊の顔」とか「猿の顔」といわれているので直ぐに見つけられます。樹皮は比較的ツルンとした薄茶色です。背丈くらいのものを見つけると見つけやすいかもしれないですね。
そして、そして今度は足元を探してみてください。ありました!食痕がついたオニグルミ。やっぱりいます!ネズミさん。川原に流れ着いたオニグルミを食べているんですね。つまり、この川原にはネズミも生活している!ということですね。川原は森と違って、姿を隠す藪や低木がありません。その代わりに石垣の下や茂った葦の中などで食痕を見つけることができます。それを見ると「お~、ここで食事をしてたのね」なんて一生懸命オニグルミをかじるネズミの姿が思い浮かべます。そして運び隠して食べるのを忘れてもらえたオニグルミの種子は無事発芽!こうして川原にオニグルミの樹が成長をはじめます。

4森と川
川原でふと見上げれば遠くに山が見えます。今見ているこのオニグルミの樹や種子は山の森から流れ出た一粒のオニグルミが代々命を繋ぎながら川原で暮らす子孫を増やしネズミ達の命を繋いでいる、命の繋がりのワンシーンなんだな。って、思うのでした。

*冬の千曲川・犀川河川敷(長野市)

河原にクルミの樹があるのをご存知ですか?